嘘つきな君からのキス


――


「うにゅ……」


目を覚ますと壁紙が少し剥がれた天井。


あ……保健室だ。


見慣れた天井を凝視し、オデコに手を乗せる。手に触れるのは熱い温度。


熱、あるみたい。


測らなくても微熱を越えているのは、この体と付き合ってきた私がよく知っている。

何でまた保健室にいるんだっけ?今日は万全じゃなかったけど大丈夫な範囲だった筈。

ぼんやりと出来事を思い返そうとした時、カーテンが音を立てた。



< 14 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop