嘘つきな君からのキス
――
「さてさて、れーちゃん。落ち着いた?」
鳴瀬君が買ってきてくれた水をありがたく飲んで、暫く立った頃に問いかけられた。
体のほうは十分過ぎる位、落ち着いた。でも、気持ちなんてそうそう落ち着けない。悲しいようなもやもやした気持ちは消えない。
「……」
「……れーちゃんは、笑顔が一番!なんだけどなあ」
困ったように笑いながら、一息つく。
私だってこんな思いしたくなかった。きっと今、酷い顔をしているんだろうな。
「れーちゃん!」
「わわっ!?」
唐突に私の顔に自らの顔を近づけてくるから驚く。
その光景は先とは違う満面の笑顔。
「だいじょーぶ!三神は、ちゃんとれーちゃんのこと好きだよ」