嘘つきな君からのキス
頭がごちゃごちゃしてきていた。
嘘なのか。とか。今まで言ってきていた事は。とか。色々考えるけど答えはでない。
鳴瀬君だっていつだったか、忠告と言って三神君は私の事が好きじゃないって言おうとしたと言っていたのに。
「最初から、嘘だったのかなあ……」
確かに、最初は私も戸惑っていた。いきなりの関係を解消しようともした。
けれど、成り行きで一緒に居るうちに。
好きになっていた。だなんて。
でも、三神君は私の事なんて……
「~~っ」
想えば想うほど惨めで、情けなくなる。
そして、八つ当たりでもなんでもいいからぶつけたかった。
「バカ……三神君の、バカ……」
独り言。それで済むはずだったのに。
「それは酷いよ」
独り言では済まなかった。