嘘つきな君からのキス
「っ」
誰かなんて分かる。
顔なんて上げない。上げてやらない。
もう私には関係ない。聞きたくない。
どうせ、また掻き乱されるだけだ。
それならもう、終わってしまえばいい。
「逢坂、顔上げてよ」
「……」
フルフルと首を横に振って拒否。今すぐ立ち去りたいけど、そうさせてくれない事は肌で感じる。
「……」
「……」
そうして、暫しの沈黙の間。三神君は一言こういった。
「ごめん」
と。