嘘つきな君からのキス
一体何に対しての謝罪の言葉なのか。
肯定か。否定か。
「ねえ。逢坂は俺の事好き?」
どうして今それを聞くのか。
分からない。何一つ分からない。
だから。
「……嫌い。三神君なんか、嫌い。嫌い。大っ嫌い」
こう答える。
だって、好きだなんて言ったらまた言われてしまう。
好きじゃない。なんて今までの関係をひっくり返すその言葉を。
「三神君のバカ。バカバカバカ!」
聞きたくないから、そうやって子供の様に悪態を付く。
それが私の自己防衛だ。もう傷つきたくない。
「そんなに嫌い?」
「っ!」
そうやって、確認するように聞くのはずるい。