嘘つきな君からのキス


おかしい。おかしい。

こんなの絶対におかしい。


「っ、んんっ」


好きじゃないのに、こんな事出来る三神君がおかしい。

口を口で塞がれて、息を奪われて。

離して欲しいと三神君の胸を叩いて訴えても離してはくれない。

どんどん深くなっていくだけだった。


「っ~~!」


もうだめだ。

そう思った時、ようやく息ができるようになった。

空気を掻きこみながら、怒ってやろうと顔を上げた時、更なる追撃がなされた。


「けど、何でかな。逢坂の事好きじゃないのに、ずっとこういう事したいと思ってた」


なんて。私の空気不足の頭と、キャパシティーの小さい脳ではその言葉は処理しきる事が出来なかった。


「逢坂!?」


ふらりと力が抜けて、意識が遠のいていくのを感じた。



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