嘘つきな君からのキス
どこか落ち着かない頭を左に動かすと、よく見知った女の子。
いつも私を心配してくれて一緒に居てくれる友達。
「あ、おはよう。朱(あか)」
「おはよ。……大丈夫?」
「だいじょうぶ……」
力を入れて何とか起き上がり、軽く服装を正す。
次いで、ぐちゃぐちゃになっていそうな髪も正した。
「まだ熱あるの?」
「多分……」
曖昧に返し、朱を見上げると何故かニヤニヤと笑っている。
嫌な予感を浮かべて「ど、どうかした?」と苦笑い気味に問い掛ける。
「玲雨、三神くんにすごい好かれてるんだってね」
そして、それは嫌な予感の的中だった。