嘘つきな君からのキス
彼は
――
すっかり体調は万全の平日。私は学校に来て、むしろ学校に来ても落ち込んでいた。気分は晴れそうにはない。
原因は当然三神くんだ。
丸め込まれた感じで……それに……私あんなの慣れてないから……っ!
今でも思いだせるあの感覚。あの熱さ。
思い出す度に俯いて、恥ずかしさに耐え、身悶えるしかない。
朱にはもう言い訳も何も言えなくて、関係は続行とだけ伝えた。哀れんだ目を向けられたのは無かった事にしてしまいたい。
あと、出来るなら三神くんの事もなかった事に……
「逢坂」
「きゃわ!?う、嘘です!嘘なんです!」
呼びかけられた事により、反射的に机に伏せて叫びをあげた。