嘘つきな君からのキス
行き場のない手をもう一つの手でギュッと握りこむ。
私、何かしちゃったのかな。
「れーーう」
「!」
俯いて落ち込んで居る所に同じように触れる手。けどそれは先よりも幾分か小さい。
「朱……」
私が顔を上げると、ニッと笑みを浮かべ手を退ける。
「あんま気にしちゃ駄目だよ?誰だって調子悪い事もあるんだし」
見られていたんだと察しながらコクリと頷く。
けど、あれはそう言うのじゃなくて……。
どうしても気になった私は、次の休み時間に保健室へと足を運んだ。