嘘つきな君からのキス


体感が違うのかもしれない。体質かもしれない。

初めて、極度の寒がりと言って良いのか分からないがそんな人に出会い、驚きを隠せなかった。


「……」

「三神くんに用事?」


硬直が解けたのはそこまで時間を要していないけど先生が戻ってきてから。

慌ててカーテンを閉じ、後ろ手で押さえて振り向く。


「あ、逢坂さんだったのね。そこ今日は駄目だから体調悪いならとなり…「だ、大丈夫です。今日は大丈夫ですから……」」


逃げるように保健室から出て行くも、思考が持ってくるのは三神くんの事で。

変。と思った訳じゃない。おそらく追求心。探求心。掴み所のない彼の事を知ってみたいと思っただけの心。


……その日から私は三神くんを目で追いかけるようになった。





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