嘘つきな君からのキス
鼻に


――

三神くんの様子がおかしかったのはそれだけで、後は至って普通と……掴み所が無かった。

例えるなら猫で気まぐれ。

学校にも関わらずフラリフラリと現れたり消えたりしている。常連と言われているのだから保健室に居るのかもしれない。


「前々からあんな感じだったのかなぁ……」

「何?」

「え!?な、何でもない。です」


休み時間の今現在。

三神くんは私の前の席に座って窓を背に座り日向ぼっこ中。暖かいからかこの場所がどうやら気に入ってるらしくぽけっと座っていた。

そんな所にあの呟きを拾われてしまった訳だ。別段拾われて困るわけでもないのだけれど。








< 33 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop