嘘つきな君からのキス


答えるのはまたしてもクラスメイトの彼。


「ばっかお前、あのルール皆無の野球に逢坂さん混ぜたらデストロイだろ」

「……それもそうか」


デストロイがよく分からないが逆にどんな野球なのか気になってしまう。三神くんも真顔だし。……いつもだけど。

結構危ない感じなのかと想像してみるも、想像がつかない。


「体育の時、やりたそうな顔してたから」

「え……?」


そんな苦笑いしている所に置き土産がぴったりの言葉を置いていき、案の定窓からグラウンドへと向かって行ってしまった。


「……」


体育の時って……見られてたんだ。やりたそうな顔ってどんなだろうと一人で見られてた事の恥ずかしさに顔を覆っていた。

チャイムが教室内では自習の始まり、グラウンドでは野球の始まりを告げた。



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