嘘つきな君からのキス


「な、に?」


人の視線は得意ではなく、だんだん気恥ずかしくなってくるも、三神くんはその強い視線で私を捉える。

問いかけから時間を要した後、こんな事を言った。


「ちょっと提案があるんだけど」


提案……?


この状況で、しかもクラスメイトの位置付けでしかない二人なのに何があるのか。

考えられる事は一つもない。

掠れる声で「何?」と、問い掛ければ、今度は直ぐに返答があった。


「提案って言うかお願いか。何も聞かないで一緒に寝させて?」


それは思いもよらないとんでもない事だった。

誰がこんな事を想像できようか。





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