嘘つきな君からのキス

主に二人で会話をしていて、私はその傍で聞いていた。会話を振られれば答えると言った具合だ。

時折笑って。時折戸惑って。時折見つめて。


「――……」


そんな光景の中に居て、ふと考える。

今となっては特にそんな様子を見せる風でもないが、鳴瀬くんは私が三神くんと関わって欲しくないみたいだった。

ならどちらが本当か。人となりをよく知らない私には結論なんて出せない。

私だって空気が読めない訳じゃない。

だから、三神くんが此処にいる内は気になっても続きを問い掛けない――