嘘つきな君からのキス


場所も同じで、ある意味私の特等席もここなのかもしれない。ため息一つ吐いて鍵が掛けられた窓を眺める。


「……」


来て……欲しいわけじゃない。ただ熱がある時はどうしても寂しいような空虚感が襲うだけ。昔からそうだった。


「三神、くん……」

「何?」

「!?」


意図せず滑った言葉に返事が返って来たことに飛び起きるも、体を支えるのが精一杯な位気分が悪い。


「だから、寝てないと熱上がるって」


子供に言い聞かせるように言い、三神くんは右足だけベッドに体重を掛けて私を戻した。

反抗もせず、沈むがまま。




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