嘘つきな君からのキス
目を丸くするとはこの事だ。
三神くんは平然としているが、此方がハッと気付いた時には体温が一気に上昇を始めていた。
「な、何言って……っ!あ……」
勢いよく起き上がった為に頭が揺れ、また逆戻りしそうになる。
必死で力を込めて耐えるもどうやらかなり体力がないようだ。
「別に変な意味じゃないんだ。ん。そう、熱がある時は誰かと一緒に寝た方が治るだって」
「そ、そんな話聞いたことな……「喋ると熱上がるよ。大丈夫。何もしないから」」
そうじゃなくて!と叫びたいのに出来なかった。
何故なら三神くんは私の体を道連れのように倒してベッドに沈んだからだ。オマケに抱き枕のように抱き締められてるという変な状況。
「三神く……」
既に聞こえるのは規則的な息遣い。
眠ったのか眠ってないのか分からないが、こういった事に全く免疫のない私は、心臓からの打撃に耐える事を早々に放棄し、意識を手放したのだった。