嘘つきな君からのキス


三神くんはとても手強くて私じゃ敵わなくて。目覚めてからもそれは変わらなく、ベッドに潜り込んだ状態でも私を離してくれる様子はない。

あり得ないくらい全身の血が駆け巡っているのが分かるものの、眠っている分まだ耐えられる。けれど、そろそろ起き上がりたい場合はどうすればいいのか。


……ここは悪いけど起こすしかない。


うん。と頷き頭を少し上にやる。


「みっ、三神くん……三神くんってば……」


それからもう二、三度呼べば薄く瞼が開かれた。

なのに動き始める様子もなく、穴が開くくらいに見られる始末。


「あの……?」

「逢坂……」

「へ?」


掠れた低い声を発したかと思えば、そのまま身を更に寄せ、私の鼻をカプリと……噛んだ。


「!?」


事態が飲み込めず硬直したが飲み込んでしまった瞬間、吐き出すかの如く


「いっ、やぁぁぁぁ!?」


ありったけの力で三神くんを押し返した。






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