嘘つきな君からのキス
「で、でも打撲は冷やさないと……」
「平気」
頭を打ったようだけど意識もはっきりしているし、大丈夫なのは分かるのにやっぱり気になってしまい、半泣きの状態ながらに三神くんの頭に手を伸ばした。
「せ、せめて打った所見せて……」
「うん」
幸い大したことがないのも確認出来た。
それでも、相手に痛みを与えてしまった事が申し訳なかった。
「……ご、ごめんね。痛かったよね」
痛みが飛んでいけばいいとゆっくりと患部を撫でる。
「逢坂は悪くないのに謝る必要ない」
されるがままの三神くんは一言「ごめん」と謝った。それにまた「ごめんね」と返し、以降も謝り続ける私に対して彼は小さくこう言った。
「優しすぎるのもよくないよ」