嘘つきな君からのキス
次に意識が覚醒したのは、何時間目かのチャイムが鳴った時だった。
その瞬間、絶叫した。
「う、わ、わぁぁぁぁ!?」
それはもう、五月蝿いくらいに叫んだ。
コンマ一秒の早さで飛び起き、思わず正座。
「み、みかかか……み……むぐっ!?」
また絶叫にも近い声で名前を呼ぼうとした時、口は手に塞がれた。
「……るさい。もうちょっとで寝れそうだったのに……」
「むぐぐっ!?」
下げた視線から上目遣い気味の鋭い視線が飛んでくる。
その視線は何とも怖くて、ゴクリと次に出そうとした唸りを飲み込んだ。
「そ。大人しくしないとまた熱上がるからね」
感情のこもらない声で私を抑制し、口を塞いだままの手の位置で自らは起き上がり覗き込むような位置で停止する。
間を置いてから、据わった目とは裏腹に笑顔を浮かべとんでもない事を言いだした。
「逢坂、俺と付き合わない?」