嘘つきな君からのキス
只一緒に帰っていた。だけなら私だって戸惑いながらでも普通に返答できた。が、今回は違う。
金曜日と言えば……言えば。
「っ~~!」
赤面。掘り返して自分で自爆する始末。
それを振り払うかのように、一気に朱に詰め寄った。
「む、無理矢理三神くんに仕事押し付けたくせに、見てたなんて趣味悪い!声掛けてよぉ!」
「ごめんごめん。純粋な興味?二人きりになるとどうなるのかなーって」
困惑しながら怒る私に対しても、朱は普通で言葉通り。
普通過ぎて、怒りをぶつけにくい。
「で、あれってキスしてたの?そこまでよく見えなかったけど」
更に上手でもあるようだった。