嘘つきな君からのキス
「しっ、してないもん!」
怒りと恥ずかしさ。最近こんなのばかりだと机に伏せた。
「怒った?」
「……怒ってない」
言いつつもモヤモヤは晴れない。
……三神くんなら、こんな事でも冗談交えて返す余裕とかもあるんだろうな。
肝心の三神くんはまだ姿を見ていないんだけどね。
「仕方ないなぁ。じゃあ玲雨には特別に三神くんを尾行する権限をあげよう」
「は?」
おかしな言葉に勢いよく顔をあげると、ニヤリと悪戯な笑みを浮かべた朱。
きっとロクなこと考えてない。
「三神くんの一日を知ろうって事で、尾行しましょっ」