嘘つきな君からのキス


「しっ、してないもん!」


怒りと恥ずかしさ。最近こんなのばかりだと机に伏せた。


「怒った?」


「……怒ってない」


言いつつもモヤモヤは晴れない。


……三神くんなら、こんな事でも冗談交えて返す余裕とかもあるんだろうな。

肝心の三神くんはまだ姿を見ていないんだけどね。


「仕方ないなぁ。じゃあ玲雨には特別に三神くんを尾行する権限をあげよう」

「は?」


おかしな言葉に勢いよく顔をあげると、ニヤリと悪戯な笑みを浮かべた朱。

きっとロクなこと考えてない。


「三神くんの一日を知ろうって事で、尾行しましょっ」




< 77 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop