嘘つきな君からのキス


「素朴な疑問なんだけど、三神くんって驚くの?」


純粋な質問のように聞こえた。多分昼休みに朱が不思議な人だと称していたのを聞いていたからだろうけど、少し失礼かのように聞こえた。

けれど、彼は気にしていない。


「驚くよ。当たり前」


無表情に言ってのける。なんて説得力がないのだろうか。


「うっそだぁ!僕がビクゥ!ってなるの笑い堪えて見てたくせに」

「内心驚きまくりだった」

「いーや。あれは驚いてなかった」


どうやら三神くんは私が想像する以上に強靭な精神を持ち合わせているらしい。


笑うなんて絶対無理。絶対叫んじゃう。





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