嘘つきな君からのキス


「ふーは何も言ってなかった。俺が気付いただけ。二時間目終りに。とか」


心配は外れで、つまり最初から気づかれていたのだ。

鋭いなんてものを越えていた。


「ご、ごごめんなさいっ!嫌だったよね?あの、でも、その……」


言い訳が見当たらない。ないから見当たらない。

つけていた。ただそれだけだ。真実だから言い変えようがない。


「つけられた事に怒ってると思ってる?」

「う、うん。違うの?」

「うん。只、何でつけてたのかっていう素朴な疑問」


首を傾げて何で?と問い掛けてくる。


聞かれるのも聞かれるので困る……っ!





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