嘘つきな君からのキス


朱に誘われて。とか言えばいいんだろうけど、私の気持ちが確かにそこにはあって。だからってそれを言うのもどうかと思うわけで。でも、でも……っ!


「何で?」


再び掛けられた問い掛けに、考えが全て混ぜられてひっくり返り返される。オマケに顔を覗き込むかのように問いかけてきているから緊張でオーバーヒート寸前。


早く答えないと。こんな時こそ落ち着きが必要なのに、学習しない私は一番思いの強い所であろう部分を吐き出してしまった。


「っ、三神くんの事知りたかったから!」


まるで叫ぶかのように。

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