嘘つきな君からのキス
少しだけ、私は口ごもる。俯く。間が空く。
けれど、三神君は急かすでもなく、帰るでもなくその場に居てくれた。
「――……」
優しいなあ。と温かいような気持ちになる。
そしてようやく
「み、三神君。今日は楽しかった。また明日学校でね」
この言葉をいっぱいいっぱいながらも告げた。
「……それだけ?」
「う、うん。それだけ……」
やっぱり不自然だった?!呼び止めるでもなかった!?と内心で慌てて、謝りの言葉を述べようとした。
その、前に。
「バイバイのキスでもしてくれるのかと思ったのに」
「!!????」