私の彼氏になってください
急に私達の前を通りかかった男子数人に、倉本がからかわれてしまった。
私は『デート』なんて言われてちょっと嬉しくて舞い上がっちゃったけど、倉本はコーヒーを飲み干した後、鋭い視線を男子達に送った。
「くだらねぇ。そんなんじゃねーよ」
「隅にも置けねーなー、マサも。最近勉強ばっかだと思ってたのに」
「だから違うっつーの!!ただのダチだし」
クールにあしらってたように見えたんだけど…
いきなり倉本の言葉の感じが変わった。
少し怒りが込もってる…というか、真剣な表情が折り混ざってる感じの言い方。
…てか、私……
倉本にとって『ただのダチ』なわけ!?
「あー…、ダチか。わりいわりい。じゃ、またなー」
男子達は倉本の怖いオーラを感じたのか、さっさとその場を去って行った。
けど…私はさっき倉本が言い放った言葉にショックを受けていた。
『ただのダチ』……、友達。
倉本は私のコト、友達としか思ってくれてないんだ…。
この数か月、けっこー頑張ったのに。
結局そんなもんなんだ。
私は残っていたコーヒーをゴクリと一気に飲んだ。
うっ…、すでにちょっとぬるくなってる。。。