私の彼氏になってください
「いや…、特にないよ。ちょっと寒いな〜って思ってただけ」
「確かに風は冷たいけどさぁ、熱でもあるの?マジで大丈夫?」
いきなり私のおでこにあゆが自分の手のひらを当ててきた。
少しだけひんやりとした手の心地。
「あーでも私と一緒ぐらいかぁ」と言いながらその手を引っ込めると、あゆが急に笑顔になった。
「なんかおいしーもんでも食べに行こうよ。まだバザーやってるでしょ」
「あっ、いいね。あかねちゃん、食欲はあるでしょ?」
「まっ、まーね!お菓子とかあるかな〜?」
「ケーキ売ってなかった?あ〜早く食べたくなってきたぁー、走ろう!!」
「あゆ、決めたらホント早いよね。うちらも行こう、あかねちゃん!」
「うん…!」
一足先に駆け出したあゆの背中を見ながら、私と映美佳もその後を追った。
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