私の彼氏になってください
1:それは恋ってヤツです









「く〜らもとっ♪おっはよぉ♪」



「…また今朝も最初に馬場の顔見ちまった」



「何何?挨拶は???」



「はいはい。…はよー」







う〜〜〜ん♪





今日も10月の澄んだ青空が気持ちいい!





倉本に一番に挨拶できたしっ。




挨拶も返してもらったしっ。








「…いつまで一緒に来るんだよ?」



「だって、隣のクラスじゃん。方向一緒だしー」



「くっついてくんなよ」






靴箱から続く階段を上る倉本の後ろを、ちょこちょこついて行ってみる。





すると、倉本のウザそうな視線とため息をもろに感じた。






でも…、私には分かるんだ。






倉本は本気で私のコトを「ウザい」なんて思ってない。






だって…もうこのやり取り、数え切れないくらいやってるんだもんっ!







きっと…だけど。






そう思わなきゃ、倉本には近付けないしね。










中学2年の私、馬場あかね(ばば・あかね)は、隣のクラスにいる倉本雅樹(くらもと・まさき)が好き。






実は1年の時は倉本と同じクラスだったんだけど、その時はハッキリ言って何とも思ってなかった。





ただの無愛想な、嫌味ばかり言う男子かと思ってたんだ。





1年の時は友達と一緒にそれを突っ込むのが私の役目みたいなもんだったんだけど…





2年になってクラスが離れて、突っ込む機会がなくなった途端、何かこう…寂しいな、なんて…ガラにもなく思ってた。







離れて気付く恋心がある、なんてよくゆうけど。





まさにそれなのかな…?






だって、倉本と話したい、近付きたいと思ってる私がいる。







これが『恋』──?







そんな時に私の想いに気付いていたのが……





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