私の彼氏になってください
3:それは聖なる日の奇跡です
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12月になり、外の寒さもだいぶ堪えるようになってきた。
登下校の時には手袋必須だな〜、こりゃ。
…実は、あれから心に決めたことがある。
クリスマスまでに倉本に告白するっ!!
前からぼんやり決めてたけど、最近はどんどんその意思が固くなり始めていた。
だって…、早く倉本の気持ちが知りたいんだもん。
『友達同士』ってゆー、周知の事実なんて、どーでもいい。
私はただ、倉本のホントの気持ちを知りたいだけなんだから!
そんなことを考えていたら、あっという間にクリスマスイブ。
いざとなったら勇気が出ない。
私…こんなに意気地なしだったっけ?
そして、今日はクリスマス当日…。
終業式。
恒例の嬉しくもない通知表をもらって、2学期全ての行事が終わりお昼前で帰る間際。
ちょうど隣のクラスも私のクラスと同時に放課後になったみたいだった。
「おっ、柚ー!柚達も今帰りか〜?」
「あ、拓。拓のクラスもちょうど終わったところ?」
「おー」
後ろのドアから真っ先に教室を出ていった瀬川の大声が私の席まで聞こえてきた。
どうやら廊下で柚に出くわしたらしい。
「でも拓は部活だよね?私、映美佳と帰るね」
「おう、悪いな。部活頑張ってくっから、小谷と気を付けて帰れよー」
「ありがとう、頑張ってね。じゃあね」
柚の声は控えめで聞こえづらいけど…、ホント瀬川の大声ってどこにいるか分かりやすい。
…てか、柚と映美佳が一緒に帰るなら、私も混ぜてもらおっかな〜。
そーと決まったらさっさとこの荷物をカバンに詰め込まなきゃ。