私の彼氏になってください







校門を出て、私は制服のポケットから手袋を取り出して付けた。





そして少し早足で歩く倉本の背中を、小走りで追った。






「倉本〜、速いって!何急いでんの?」



「そっか?寒いからつい早足になるだけだろ」



「ちょっと待ってって!」






…と、倉本の背中に背負ってあった補助カバンを後ろからグイッと掴んだら、少し倉本の背中が反った。






「痛って!何すんだよ?」



「ゴメン〜」



「さっきから何なんだよ?俺に用事ならそう言ってくれないと分かんないんだけど」



「え…?」






用事…?



用事ってほどでも…




いや、用はあるっ!!





私…、倉本に伝えたいコトがあるんだ!








「用事なら…あるよ」



「え?」






いきなり小声になった私の方に、倉本が振り返った。





チャンスが…やってきた。





ついに、やっとやっと告白のチャンスがやってきたんだ。








「ねえ…!私の彼氏になってよ、倉本。いや、私の彼氏になってください!!」






私は倉本に向かって深く頭を下げた。





今…どんな顔してるんだろ、倉本。





分かんないけど、絶対驚いてるに違いない。





まさかこんな道の真ん中で告白されるなんて、思いもよらないもんね。。。





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