私の彼氏になってください
「あのさぁ、ななっぺの言う通りだよ。うちら、昨日から付き合ってるんだー」
『ええっ!?そうだったの?』
「うん。倉本が勉強に集中したいから、みんなには勉強会やるまで黙っといてって言われててさ〜」
『ああ、そういうこと?だったらみんなには黙っとくから安心してよ。どうせ冬休みだから言うチャンスもないだろうけど』
「ありがと〜♪さすがはななっぺ!……ところでさぁ、『いい雰囲気』って、どの辺りを見てそう思ったの?」
私は何となく気になっていた。
ななっぺは一体うちらのどの場面を見て『付き合ってる』って思ったんだろう?
するとななっぺは、ちょっと言いにくそうに声を詰まらせてからこう言った。
『えっと…、あのね?抱き合ってる感じ…だったかな?もしかしたらキスとかしてた?そんな風にも見えたけど…』
…てか、全部見られてんじゃんっ!!
友達にそーゆートコ見られてたって分かった途端、私は急に恥ずかしくなった。
まあでも…見られたのがななっぺで良かったのかも。
あんまり冷やかしてこないし。
「あ〜〜…、ななっぺには敵わないかも。それも黙っといて?…とゆーか、それは確実にみんなに言わなくていーから」
『言わないよ。私だって先輩とそういうことしてたって言われるの嫌だし』
「ありがと…」
『まあ、何かあったらいつでも相談に乗るから。倉本だったら一筋縄でいかないところもあるし、これから大変かもしれないでしょ?』
「大丈夫だよ、ラブラブだし〜♪」
『ははは。それならいいんだけど』
それからななっぺとクリスマスに彼氏とどうやって過ごしたか報告し合った後、電話を切った。
そして…、終話ボタンを押したその指で、私は雅樹にメールを打った。