私の彼氏になってください
「『好き』ってゆーか、好きだよ。うん、好きだと思う」
『やっぱり。やっと認めたね』
「ななっぺは鋭すぎるよ〜。でもそれなら回りくどい感じじゃなく思いっ切り倉本に猛アタックしてみよっかな〜」
『でも倉本さぁ、つい最近まで好きな人いたみたいなんだけど…それには気付いてた?』
「え?」
倉本に、好きな人がいた…?
…そーいえば、たまに運よく話せても、素っ気ないとゆーか。
いや、素っ気ないのは元からなんだけど、何か視線が私の方を向いてないとゆーか、上の空とゆーか…。
何て表現したらいーのか分かんないけど、私の目を見て会話をしてないなって感じは前から受けてた気がする。
それでもいつかは私の方を見てくれるハズって思って話してたつもりなんだけど。
「何でななっぺが倉本の好きな人のコトなんて知ってるの?」
しかもつい最近まで…って、時期まで知ってるなんて、ななっぺの情報網、スゴすぎ。
『昨日勉強会行ったら、来ない予定だった倉本が後からやって来たんだよ』
「ええ?倉本が?」
実は私達は、主に1年の時同じクラスだった友達同士で定期テストの前とか長期休みの終わりとかに集まって勉強会をよくやってるんだけど、私は急用で、倉本は確か塾の講義があって欠席してた…ハズだった。
だけど、倉本が勉強会に顔を出してたなんて。
『言いにくいけど、どうせ分かることだしハッキリ言うよ。倉本、柚のことが好きだったみたいだよ。でも昨日、ちゃんと断られて、本人も納得して帰っていったけど』
「ゆっ、柚のコトが好きだったぁ!?」