私の彼氏になってください
2:心の距離を縮めたいだけなんです
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11月──
今日は文化祭当日。
うちの中学は体育祭はかなり盛り上がるんだけど、文化祭は体育祭に比べるとそーでもなかったりする。
特に生徒が催し物とかするわけじゃなくて、文化部の展示とか音楽関係の部活のステージとか、PTAのバザーぐらいしかないもんな〜。
しいて言うなら、クラスとか関係なく自由行動できるから、隣のクラスにいる倉本を誘えるチャンスではあるんだけど。
「あっ、あかねちゃん。拓…見なかった?」
「あれ〜?柚?もーとっくに瀬川と行動してるのかと思ってた。瀬川…見てないけどなぁ」
「え?どうしよう。昨日メールで約束したのに…」
彼氏の先輩にくっついていったななっぺを見送って倉本を探そうと思ったら、なぜか柚に出会ってしまった。
まだ彼氏の瀬川には会ってないらしく、一人でうろついていたみたい。
「私も倉本探してたからさぁ、一緒に探そーよ。もしかしたらアイツら一緒にいるかもしれないし」
「あ…、そうだね。拓と倉本くんが行きそうな所……」
「PTAのバザーとかじゃない?早速何か食べてそーだし」
「うん。じゃあ…行ってみようか」
…とゆーわけで、私と柚は中庭に向かった。
そこでは体育祭に使う大きなテントが何個か張られていて、そのテントの下では保護者が軽食を売っていたり、それを買った生徒が並べられた長机で食事をしたりしていた。
その一角で、うちのクラスの男子何人かとあったかそうなうどんをすすっている瀬川を見つけた。