私の彼氏になってください
「あーーっ!瀬川発見!!アンタ柚ほったらかしてこんなトコで何やってんのよ?」
「げっ!馬場じゃん。何で柚といるんだよ?」
「『げっ!』じゃないっつーの。柚、ずっと瀬川のコト探してたんだよー?」
私は瀬川にそう言って、一歩後ろで下を向いていた柚の方を振り返った。
こーゆー時、柚は瀬川に文句言える立場なんだろうけど…
柚が瀬川に対して偉そーに言ってるトコなんて私は見たことがない。
だから柚の代わりに私が文句を言ってやるんだけど。
…まー、こんなトコが私と柚の可愛さの差となって出ちゃうんだろーなー……。
「あっれ〜?柚、昨日さぁ、『明日の午前10時に体育館の入口で』ってメールしなかったっけ?まだ9時半だぞ?」
「えっ…?そうだっけ?」
瀬川にそう言われた柚は、慌てて自分のケータイをチェックし始めた。
そして、とある画面を見た時に小さな声で「あっ」とつぶやいた。
「ホントだ…。ゴメン、私…勘違いしてたみたい。昨日勉強しながら拓とメールしてたから」
「えええ!?勘違い???」
…てか、私が瀬川にあんなに怒ったのって……、正直怒り損ってヤツ?
しかも、文化祭の前日まで勉強してる柚も柚なんだけどさー…。。。