SugarⅢ
「なぁ、ちょっとだけ」
「いや、だからほんとに…」
ヤバイ。怖い。
いかついお兄さんがあたしの前で、ニヤニヤしながらあたしの腕を引く。
「いいから来いよ」
やっべぇ。
犯されちゃうのか?
犯されちゃうのか、あたし!
とりあえず離してほしい、この手を。
そんな思考も虚しく、ズルズルと引きずられていく。このいかついお兄さん、思ったよりも力が強くて振りほどけない。
「ちょっ、やめてください!」
人通りの少ないこの道。
助けが来ないことは分かっているけど
少女漫画ならここで、ヒーローが助けに来てくれる!
そんな奇跡があたしにも起こってくれないだろうか。
なんて思っていた矢先
「あれ、姫仲?」