SugarⅢ
「何してんだよ、遅刻するぞ」
あぁ!!
あたしのヒーロー来た!
「た、助けて有明!」
有明涼。
あたしと同じクラスの男の子。だがしかし、頼りないぞ!
身長はあたしと変わらないし、部活もしてないみたいだし、顔は中性的で可愛いし。
………頼りねー、あたしのヒーロー…
「どうした?」
「あのいかついお兄さんが…」
「あぁ?」
いかついお兄さんって言っちゃった。
事実とはいえ、本人を目の前にして言っていいことではないだろう。
「あ、あのお兄さんがっ、あたしのこと襲おうとしてたの! さっき人気がないところに連れていかれそうになったんだから!」
超超超超ミラクルが起きて、有明があのいかついお兄さんを倒しちゃったらいいのに。
期待してないけど。
だって有明だし。