熱いキスをして。
私、結城アンナ
極めて真面目な今時珍しい硬派な純情女子で通ってる。
小学生から高校3年の今までずっと、無遅刻無欠席。
忘れ物なんてしたことがない
勉強はいつでも首位をキープ。
小さいころから真面目だねと言われ続けてきた。
「……もっ…ダメ」
「苦しい?」
そんな私が、この人に恋をしたのは
高校の入学式のこと。
珍しく落し物をしてしまった私
落としたのはスケジュール帳で私には必要不可欠なものだった。
日が沈むまで探したけどそれは見つからず、諦めて教室に戻った。
『落し物ってこれ?』
突然、後ろからかけられた声。
低くて透き通ってる、響く声
『あ、そうです』
この人…
他人に興味がない私でも、彼がだれかなんてすぐに分かった。