天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅦ
「ぁあぁあぁあ、ううんっ、そんな事ないよっ?」

慌てて表情を笑顔に変えて、拓斗は花音の頭を撫でてやる。

「有り難う花音、僕の為に頑張ってくれたんだね」

「えへへぇ…」

ほにゃっ、と笑顔を見せる花音。

何を隠そう、ぬいぐるみの五所川原も、拓斗の空手着も、全て花音のお手製だ。

五所川原は花音が初めて自分で作った作品にして超大作。

空手着は、拓斗が空手を始めるという話を聞いて、せっせと拵えたものだ。

最初は可愛くピンクの空手着にしようとしたのだが、拓斗がそれとなく『僕は白がいいな、うん』とヤンワリ窘めたので、兄の意向に従って白に決めた。

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