天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅦ
「橘 花音です…拓ちゃんの妹です…」

蚊の鳴くような声で、コショコショと呟く花音。

本来ならば『拓ちゃんがお世話になっています』と頭の一つも下げるべき所だが、拓斗をいじめる悪党二人(勘違い)を相手に挨拶なんかしてやるもんか、という心境。

可愛いくりくりの瞳で、一応龍太郎達を睨んでみる。

ちっとも怖くないが。

「まぁいい…それでは今日も修行を始めるか」

老師の龍娘の言葉で、龍太郎と拓斗は頷いた。

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