天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅦ
「その詠唱…還騎さんのその名は偽名ですか」

クスリとも笑わないまま、兆志は呟く。

「『星と天を紡ぐ偉大な魔女』の異名をとる具現化の魔女…昔そんな二つ名を聞いた事があります。長生きはしておくものですね…」

「申し遅れました」

軽く会釈する還騎。

「私、本名をアストラル・グレイ・シエルファと申します。此度は既に伝説とまで言われた死神、因幡 兆志と手合わせしたく思い、この天神学園に入学致しました。是非、決闘の許可を」

「…先程言ったでしょう。僕は既に現役を退いた身…もう還騎さんを満足させるほどの実力は…」

言いかけた兆志の言葉を遮るように、還騎はギロリと眼を剥く!

「貴様は黙ってその本領を発揮しろと言っている!」

< 84 / 149 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop