天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅦ
凄まじい力感だ。

障壁を展開しなければ、胴体が真っ二つにされていたやも知れぬ。

しかしそのお陰で。

「理解したぞ」

還騎はゆっくりと体勢を立て直しながら言う。

「貴様…大鎌は持っていないのだな…というより」

杖の先端で、兆志の右手を指し示す。

「貴様のその右手こそが死神の鎌…斬撃は、その右手から直接放たれていたのだな」

「…聡明ですね、還騎さん」

兆志が目を細めた。

「死神の現役を退いた時から、証である大鎌は返上しています。今はこの右手こそが、僕の唯一無二の『死神の鎌』です」

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