☆男の子のわたし★
「ふふっ。大事な1人娘を置いてきぼりにして、会社なんて行けないわよ」
「………。」
や……、や……、
優しい…。
俺はこんなに母ちゃんに優しくしてもらった事なんてない!
いっつも怒られてばっかりで…。
「はい、早く食べて早く行きなさい?」
誰この人ーーー!
こんな母ちゃん知らない!
「ま、ままぁ~!髪の毛やってぇ?」
早く!早く!
この気持ち悪い息子を怒鳴ってくれ…。
「ふふっ…。はいはい」
え!?
「じゃあ食べながらやるわね?」
そう言って俺の後ろに立った母ちゃん。
「んー、今日はポニーテールでいい?」
「え…。あ、はい…。」
母ちゃん、いい加減“ドッキリ”って言ってよ…。
「あら?最近髪のびた?今度美容室行く?」
俺はいっつもトコヤ経営してる裏のおじちゃん家だろ!
「あ、そうそう!海ちゃんが欲しいって言ってたワンピース、
今日買ってくるわね。」
わ、ワンピースなんていらない…。
「母ちゃんいいかげ「よし!できた!ホラ。」
母ちゃんが俺の言葉をさえぎって、鏡を見せてきた。
「!!!???」
俺はーーーー
鏡を見てビックリした。