ピエロ
side:W
「分かった。だが、次遅れたら迎えに行く。いいな。」
会長などなりたくてなった訳ではない。入っていれば業界に幅が利くだろうと入っていただけだ。だが、こいつと会うのに支障をきたすのなら入るべきではなかった。
「えー。白それは、無理だって。だって、俺目立つのやだもん。」
まるで、目立っていないようにこいつは言っているがBLACK始まって以来の秀才であり、人を引き付ける魅力を持っていることもあり、人望もあつい。
本人は、いたって普通に生活しているようにでも思っているのだろう。
自覚をもってほしい。
そうやって、ため息をつきながら、ぼんやりと空を見つめた。それから、ふと右側へと視線を向けるとパチパチと長い睫毛でふちどられた、大きな目がこちらをじっと見ている。
なんでも、見抜いている。
そんな目が嫌いだったなぁ…と思い出した。