片思い経由、恋愛行き


16:07

学校前の停留所に、待っていたバスが来た。



徐々にスピードを落としてハザードを点滅させながら近づいてくる。



俺のちょうど正面に出口がくる位置に停まって、ゆっくりドアが開いた。



バスに乗り込み、運転手さんに学生証を見せて奥へと進む。



後ろから3番目、運転手側の2人用の席に座った。



空いているすぐ右隣の席に鞄を置いて一息ついている間に、バスが走り出した。



車両が加速するにつれて、俺の胸の鼓動も加速する。



『次は、小桜高校前。小桜高校前でございます』



信号を1つ過ぎた頃、きれいで大きな学校と共に次の停留所の看板が視界に飛び込んできた。



…よかった、あの子もいる。

俺の読みは正しかった!



バスの走るスピードが徐々に緩まっていく。



反して俺の脈拍のスピードは徐々に高まっていく。

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