片思い経由、恋愛行き


―――――プシュー…


俺たちの前にバスが停まった。



成海さんの後に続いて車内に乗り込む。



運転手は知らないお兄さんだった。



奥へ進み、朝と同じ席に座る。



…やっぱり意識しているんだろうか…


なんて考えながらも、意識しているのは俺の方だ、と自己暗示。




…だけどそれも虚しく、


「さっきの人、郁也くんのお兄さん…?」


と、話題をふりかけられた。




「うん、そうだよ」


「名前は…?」


「……須賀達也」



喉の奥がつっかえる。



隣に座る人の表情が、見なくても分かる。







……成海さん………達也のことが好きだ…
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