片思い経由、恋愛行き


き、奇跡だ…っ



わずか1m左隣に、彼女がいる…!



この通路に1歩足を踏み出せば、彼女のすぐ側に行ける…!



席は他にもたくさん空いているのに、彼女はあえてこの席に座ってきた。


俺のすぐ近くの席に。



これはやっぱり、何か意味があるのだろうか…!?



だとしたら……









…って、俺は女子か。



こんな些細なことで1人で盛り上がって、男としての威厳は全くあったもんじゃない。





…話しかけよう。



ここで動かなければ何も始まらない。



こんな絶好のチャンス、無駄にしてたまるか!



胸の高鳴りを落ち着かせ、すっかり力の入りきった口を何とか開いた。



「「あの…っ」」
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