片思い経由、恋愛行き


……ん?



今、誰かと声が重なったような…




「あ、ごめんなさい…」



彼女だ……!!



俺の方を向いて喋っている…!



「あの…毎朝わたしと同じバス停で待っている人…ですよね…?」



女の子らしい柔らかい声で話しかけてきてくれている。



俺の心臓の鼓動が更に速くなった。




落ち着け…

落ち着くんだ、俺。



ここで緊張してヘマなんてしてみろ、彼女に笑われてこの恋はTHE ENDだ。



すっと息を吸い、にっこりと笑って口を開いた。



「えっと…坂下停留所?キミ、いつも先にいるよね」



ゆっくりと言葉を紡いだ。



彼女はじっと俺の目を見てそれを聞いてくれる。
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