片思い経由、恋愛行き


From:須賀達也
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隣にいたのって、
昨日のなるみさんだよな?

あの子もいつも
あのバス停にいんの?

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……そうだよ。



いつも達也のことを見つめているよ。



なのに、それに気付いていないどころか、存在自体を忘れていたなんて。



成海さんがどれだけ傷ついているか、きっと達也には分からない。




無頓着の達也に少しイラっとしたから、“うん”とだけ返して携帯を閉じた。





「…おい瑞樹!お前よくも昨日っ………………、って何だその顔」



俺より後に登校してきた郁也が、隣の席に座った。



「ニヤついていたら文句言ってやるつもりだったのに、何しょぼくれた顔してんだよ」



そう言いながら人の顔を見て、面白くなさそうに不貞腐れる。



「さては喧嘩したな?」


「……」



図星をさされて俺は言い返せなくなり、出来事を郁也に全部話した。
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