片思い経由、恋愛行き
混沌停留所
12月18日
昨日郁也は、学校が終わってからうちに来て泊まっていった。
「行ってきます」
「おばさん、お邪魔しました」
「はーい、また来てね。行ってらっしゃい」
外に出ると、少し雪が降っている。
寒さに耐えながら、郁也と一緒にバス停に向かった。
07:45
いつものように、成海さんが達也を見つめている。
「…マジで見てんの。すげぇな」
苦笑いの郁也が小さな声で呟いた。
今日は達也も彼女を見ている。
お互い目が合ったらしく、成海さんが会釈をし、達也はにっこり笑った。
…距離が近づいたか…
なんだか胸の辺りがぎゅっと苦しいのは、気のせいだろうか…
じっと2人の様子を見ていると、達也は俺と郁也の存在にも気づいたらしく、窓越しに手を振ってきた。
そのままバスは山を上っていき、次第に見えなくなってしまった。