片思い経由、恋愛行き


「初めて会った気がしなかったらしく、しばらく考えたら思い出したんだってよ」


「……っ!」



続けた郁也の言葉に、成海さんの目が見開く。



俺も耳を疑った。



…達也が…思い出したって…!?







「…っ成海さん!チャンスだよ!!!」



思わず声が出た。



「え…?」



見開いたままの目で俺を見る成海さん。



「……瑞樹?」



隣の郁也も同じような表情。




「成海さん、達也と話そう。ここで頑張らなきゃ、何も始まらないよ」



…本当はこんなこと言いたくないはずなのに、口が止まらない。





成海さんは達也が好きで、達也も成海さんが気になっている。



それって、両想いってこと。



…俺が入る隙なんて、もうないじゃん。

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